去年から札医大で講義をさせていただいている。今年の講義も先日行った。一昨年、札医大の古名丈人先生から連絡があり講義を引き受けた。

一昨年、古名先生から連絡をいただき、僕は直ぐに会いに行った。どうして、僕が医大で講義をするのか？あまりにも場違いなオファーだったので、直接会いに行った。

古名先生いわく、北海道の歴史や文化を学生に伝えるための、プログラム。しかも必修。本当に僕でいいのか、僕は何度も古名先生に問いただした。

しかし、古名先生の目はマジだった。古名先生と僕はあれやこれと、アイデアを出し合った。会場の教室を見て歩いたりした。

その時、もう既に歩く姿は辛そうだった。この人が何か大変な病気を抱えているのは、初めて会った時から感じていた。

それでも、僕と医大の敷地内を歩きまくってくれた。僕も古名先生の情熱に打たれ、講義を引き受けた。

古名先生からのオファーの前に、札医大じゃない、某薬の大学で講義のオファーを受け、講義を行った事があったのです。

その講義も必修だった。教室は酷い状況だった。人の話を聞く学ぶ空間ではなかった。寝る学生、喋りまくる学生、PCをしまわない学生などなど、荒れた教室だった。

僕は遅刻して教室な入って来て、友達と喋り続ける女子学生に、うるさいぞと伝えた。彼女は、アー！何よ！と反抗的だった。彼女のその姿を見て笑って寝る男子学生。

酷い状況での講義を僕は経験していた。何も話を聞かない学生に対し僕は閃いた。この学生達、勿論、スマホはしっかりと手の中にある。

僕は彼等にyoutubeで、ToyToyアイヌって検索してみなって伝えた。彼等は僕の講義は聞かなくても、僕のyoutubeは観ていた。

そして、最後に遅刻して来た女子学生は、僕に講義のオファーを出した先生にレポートを提出しようとした。しかし、その先生が受け取らなかった。彼女は先生の目の前で、そのレポートを破り捨てて行った。

僕にはそんな経験があった。そして、そんな経験がある事を古名先生に僕は伝えた。古名先生も今の学生の態度には困っていたらしい。

古名先生は学生の態度が悪かったら帰ってもいいです！と僕に言って来た（笑）流石にそんな事はしないけどね。

それでも、僕もその酷い講義の経験があったから出来た事もある。去年、古名先生が見守る中、初めての講義を始めた。

僕は最初にスマホをいじっている学生に言った。僕は札医大の人間じゃない、この大学の外から来た人間です。社会人です。

だから僕は君達を学生じゃなく大人として見ます。人の話も聞かずにスマホをいじっている人がどこで働くの？そんな人を経営者は雇うの？そんな大人でいいのかい？

彼等はスマホをしまった。僕の言葉が伝わった。しっかり講義を聞き入れてくれた。そして確かに僕も学生のストレスも感じ取っていた。

それでも、何とか学生と心を通わす事が出来た。去年はそんな感じで終了し、僕も辛い経験を飛び越える事が出来た。古名先生、ありがとう。

そして、今年も札医大からオファーが来た。札医大に打ち合わせに行くと古名先生はいなかった。いない理由を聞く事はしなかった。

そして6月28日に古名先生が亡くなった事を知った。そして一昨日、古名先生のいない札医大で講義をして来た。

講義の前に、古名先生が亡くなった事が学生達に伝えられた。そんなタイミングでの講義だから、どうなるか不安もあった。

しかし、これが古名マジックなのか、学生もしっかり講義を聞いてくれた、講義が終わっても学生達がなついてくれた。めんこかった。

そして、昨日、学生達の感想が届いた。泣けたよ。めんこい！この子達に恥じない様に、古名先生の分もしっかり生きて行かないとね！エネルギー貰ったよ！

古名先生ありがとうね！古名先生の思いを若い先生と共に繋いで行くからね。古名先生、出会ってくれて、ありがとうござます。



今日も最後まで読んでくれて、イヤイライケレ〜。

ToyToy