ToyToy屋

先人

僕は10数年前、多分、鬱病MAXの時期にこれでもかと曲を書き溜めていた。

もうすでに、ファーストアルバムはリリースしていた。そんな時期。

MTRと言うレコーダーでデモ音源として録音し続けていた。

多分、曲を書き録音することが、その当時の僕が見つけたアウトプットの方法だった。

多くの人達を裏切り、一人ぼっちでプライドしかない頑固な自分がそこにいたのです。

どう生きて行ったらいいのか全く見えていない自分が曲を書く。ある意味、生き地獄。

でも溢れる様に曲を書いて録音し続けていた。正味、狂気。狂っていた。

この先人と言う曲、昔のデモ音源には、先神と記すられていた。

そして、自分で書いた気がしない曲なのです。書かされた。そんな気がする曲。

確かに書かされたと思う。一瞬で書き上げた記憶があるくらいだから。

でも先人達への日々の思いは書き込まれている。そんな不思議な曲なのです。

この先人は数年前にレコーディングされ、セカンドアルバム、ramuに収録された。

LIVEでも勿論、歌い続けて来た。そして、この曲に少し違和感を感じ出していた。

その違和感とは何なのか、本当に悩んでいた。それはどう言うことかと言うと。

アイヌの先人達へ向けて書いた曲なのだが、もうアイヌとか、そんな人種を超えた曲。

大それた事を書いているが、僕が本当にそう感じ始めたのです。

日本の先人達へ向けても歌いたい。世界中の先人達へ歌いたい。僕はそう思い出した。

せめてLIVE会場へ来てくれた、オーディエンスの先人達へ歌いたい。そう思いだした。

先日、メルキュールホテルでのLIVEで先人の出来た経緯を、オーディエンスに説明した。

そして、オーディエンスの先人達へ歌わせて下さい。と言って先人を歌った。

オーディエンスの表情が確かに変わった事を僕はキャッチした。

静かに燃えている様な感じ。目を潤ませているオーディエンスもいた。

その姿を見た時に僕は思った、もう本当に僕の曲じゃない。

この曲を好きになってくれた人達の曲になったなって、素直に受け入れたのです。

嬉しかったな。本当に。LIVE終了後、オーディエンスにこう言われた。

さっきの曲が入っているアルバムを下さいと。本当に心から嬉しかった。

先人達と未来の間で生きていると僕は思っている。過去と未来の間で生きている。

先人達の思いを未来へ返す為にも、この曲は歌って行きたい。

いろいろと不思議な体験をさせてくれる先人と言う曲に感謝します。

感謝を込めて、今を生きて行きます。



今日も最後まで読んでくれて、イヤイライケレ〜。

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